思い出のサンフランシスコ

久保語録
02 /22 2017


久保です。グループホームのバイトさんは、みなさん、ほんとにいい方ばかりでありがたいです。先日面接した方は、「ぼくは小学校のとき同じクラスにしょうがいがある友達がいました。ぼくは普通に遊んだりしてたけど、周りはその子と距離を置いていました。しょうがいがあったってみんな同じなのに、なんでそうなるのだろう。そんな雰囲気を変えたいと思い、教師になりたいんです」と言っていました。私はそのまっすぐな気持ちに心うたれました。

さて、話は変わりますが、大学を卒業した年にサンフランシスコでホームステイをしたときの話しです。そのステイ先には、いかにもカリフォルニア地方によくいそうな太めの気さくな女性(仮称メアリー)がいました。メアリーは普段一人暮らしでした(ご主人は離別か離婚か別居かはわかりませんでした)。娘さんが一人いるのですが、普段は別のところで暮らしていて、週末に母のところに帰ってきていっしょに過ごすのでした。

私は初めてのホームステイで、どんな感じになるのだろと思っていたのですが、メアリーが気さくで陽気な人だったので、楽しいホームステイを送ることができました。

ただ、週末に娘さんが帰って来たときがドキドキ・ハラハラでした。母と娘は初めは楽しそうに話しています。そんなときは親子水いらずを邪魔してはいけないと思い、私は自室に静かに引きこもるのですが、時々この親子は口喧嘩をし始めます。何が原因かわかりませんが、お互いがお互いをののしりあい、最後まで仲直りできないまま娘さんは帰ることもしばしばでした。ある時もものすごい喧嘩のあと娘さんはすごい剣幕で帰っていきました。残ったメアリーは一人ダイニングテーブルの椅子に座ってさめざめと泣いているのでした。大きな体の普段陽気なメアリーが泣いていると、私は気の毒になってなんとかしてあげないとと思いました。

「そうだ!鶴を折ってあげよう」。日本のガイドブックには外国人に折り紙を折ってあげると喜んでくれますよ。日本文化の紹介にもなります。と書いてあったので、私はほとんどやったことのない折り紙を覚えて何とか鶴はまがりなりにも折れるようになりました。

ここぞとばかりに自室で鶴を折って、メアリーに渡しました。メアリーの悲しい涙が喜びの涙に変わりました!「WAOH、お前は私のためにこれを作ってくれたんだね。とっても嬉しいよ。ありがとうね。ほんとにありがとうね。この折り紙大切にするよ」と、とても喜んでくれたのでよかった、よかったと、私はその晩静かに眠りにつきました。
さて翌朝。メアリーーはまた笑顔で私にあいさつと感謝の言葉を言ってくれるかな?とわくわくしながら、自室を飛び出し、リビングに来ました。あれ、メアリーはまだ寝ているのかな?ふと、ダイニングテーブルの脇にあるゴミ箱を見ると、なんとそこには、ぐちゃっとされた鶴があったのでした。メアリーの寝室からは大きな高いびき!
う~ん、恐るべし、カリフォルニア!

ソフト食&ゼリー食の試食会

神田のフォト日記
02 /18 2017


こんにちは。神田です。
一羊会には、いくつかの部会が存在します。
法人内の各事業所から職員が各部会に配置されて、法人全体にまつわる様々なことを検討する場所です。

そのひとつに生活支援部会というものがあります。
ざっくり言うと、利用者の生活における支援の質をより良くしていく為に色々頑張ろうね、という会です。笑
様々な視点から、利用者の余暇時間の過ごし方を研究し、提案したり、楽しみながら体を動かせるアクティビティーを実践してみたり、加齢に伴うさまざまな機能低下がみられる利用者に対しての生活における支援のあり方を考えたりと、部会員達は日々、いや時々、奮闘しています。

そんな生活支援部会が定期開催している分科会があります。
各事業所から部会員以外の職員も参加し、各事業所で取り組んでいる活動について発表したり、日頃支援の現場で困ってる事なんかを相談したり、意見交換したり、あとはなんかワイワイしたりする交流会です。

先日行われた分科会のメインイベントは「ソフト食、ゼリー食を試食してみよう」というものでした。


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パウチされた料理を湯煎するところから皆でとりかかります。

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こちらがソフト食。
見た感じ普通です。バラエティも豊富。

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匂いも良し。笑

味付けもしっかりしており、どれも普通に美味しかったです。

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こちらはゼリー食のブロッコリー。
ポコっと押し出します。

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この手前の白いやつ。
なんとサバです。
口に入れた瞬間、口の中が完全にサバ。笑
サバやと認識しながら食べてたら大丈夫ですが、パンナコッタ的なもんやと思って食べたら、衝撃が走るに違いないです。

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こんな風に。笑

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ゼリー食のトマトやかぼちゃ、レンコンなど。
部会員が用意していた中部地方では有名な味噌のソースをつけて食べる揚げ出し豆腐が美味。
っていうかこの味噌つけたらだいたいの物がうまい!
この味噌どこに売ってるの?と時折脱線したりもしながら。

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人一倍食べていたすずかけ作業所の松本職員(左)
たぶんちょっと苦手なやつを食べた瞬間の顔です。笑

アットホームな雰囲気の中、試食会は終わりました。
高齢になり、嚥下機能が低下してきている利用者も各事業所で増えてきています。
すでに様々な方法で食事の場面での安全を守るアプローチが各事業所で行われています。
今後、需要おが増えてくるであろう、ソフト食やゼリー食が一体どんなものなのか、支援の場で提供する側となる職員が実際に食べてみる機会を持てたことはとても有意義な事だったと思います。

試食会の後は座談会。
日頃の支援の現場で、それぞれが抱えている難しさや、上手くいったと実感をもてていることなど、色々と話す事ができました。
こういった形で、同じ法人内の職員が、事業所を超えてコミュニケーションを取れる機会は大事だなと切に思いました。

アドルフ・ヴェルフリ展

神田のフォト日記
02 /18 2017


こんにちは。神田です。
兵庫県立美術館でやっている、アドルフ・ヴェルフリ展を観てきました。
アウトサイダーアート/アールブリュットを代表するスイス人の作家さんらしいです。
何とも言い表しがたい強烈なインパクトを受け、余韻がまだぼんやりと残っています。

新聞用紙に鉛筆と色鉛筆だけで描かれた絵は、力強く、ユニークで、純粋にその面白さを楽しめました。
でもヴェルフリの壮絶な生い立ちや、人生のほぼ半分を精神病院で過ごし、膨らんでいく誇大妄想を物語として紡ぎ、ひたすらに描いて生きたその生涯をざっくりと知ると、覗き込むことが怖くなるような感覚もおぼえました。

死の4日前、床に臥せるヴェルフリが、もう絵を描けないことが辛いと泣いたというエピソードが印象的です。


アドルフヴェルフリという人間のうちがわ。


2月26日までやってますよ↓
アドルフ・ヴェルフリ展

合理的配慮について

久保語録
02 /13 2017


久保です。数年前に障害者権利条約が出たときに、「合理的配慮」という言葉がにわかに脚光を浴びて、今は少し落ち着きましたが、当時は障害者福祉業界でこの言葉は流行り言葉のようになり、「合理的配慮」についての研修も多かったですし、厚労省からもこれに関する資料が多く出されたと思います。
この言葉が何でこれほど注目を浴びたかというと、障害者に対する暴力や暴言だけが差別ではなく、障害者が生活しやすい環境を設定(例えば車椅子に乗っている人のために段差をなくすこと)しないことさえも差別である。と差別を一歩踏み込んだ形で規定したからだと思います。

「合理的配慮」をしないことが差別につながるという考え方は画期的ですし、理解できるのですが、私が違和感を感じるのは「合理的配慮」というこの造語自身です。一般的に「合理的」という言葉は、筋道が通っていて、明解で、無駄がない、効率的といった意味で使われます。そうするとこれに「配慮」をつけた「合理的配慮」の文字通りの意味って一体なんでしょうか?わかったようでよくわからないことになりませんか?

なぜこのような現象が起きたのでしょうか?権利条約の英文にあたれば何かわかるかと思い、英文を調べてみました。「合理的配慮」は英文では「reasonable accomodation」となります。「reasonable」は、reason(理由)の形容詞形で、辞書で引くと、初めに来る訳語は「合理的」となるケースが多いです。つまり、誰だかわかりませんが、権利条約を和訳した人は「reasonable」という単語を前後の文脈も考えずに、単に辞書を引いて機械的に「合理的」と訳したのではないでしょうか。「reasonable」という単語は「合理的」という意味の他に「適切な」という意味があります。英文の権利条約の中では、「reasonable accomodation」と同じような意味を表現するときに、「reasonable」の代わりに「appropriate」という単語を使用しているのです。この単語の意味は「適切な」という意味です。また別のところでは「appropriate」や反対語の「disappropriate」の単語を使い、いわゆる「合理的配慮」の説明をしていました。このことにより、「reasonable」は明らかに権利条約では「適切な」という
意味で使われています。

そうなると、「accomodation」の訳語もあやしくなってきます。この単語は一般的には「収容施設、宿泊施設、収容能力、予約」という意味で、日本で信用のあるジーニアス英和中辞典でも「配慮」と言う意味は載っていません。そもそも、「配慮」という語はそのようにする気持ちや姿勢のみを示していて、実際にその気持ちを実行するまでは意味しないことが多いです。しかし、「reasonable・accomodation」は明らかに、障害者に対して適切な環境整備を実行することを指しています。このことから「accomodation」を「配慮」と訳すことは、適当ではありません。ここは「便宜」と訳すべきです。辞書にもこの訳語は載っています。そうなると「reasonable・accomodationは「適切な便宜」と訳すことができ、これではじめて理解しやすくなります。

このように書いてきて、気がつきました。もしかして、訳者は「reasonable・accomodation」を「合理的配慮」と訳したとき、これが正確な訳語だと思わなかったにもかかわらず、あえて「合理的配慮」と訳したのかもしれません。何故かというと、障害者差別に対して、画期的な考え方を打ち出したキーワードが「適切な便宜」では、いかにも普通の言い方で、その画期的さが全く感じられないと思ったからではないでしょうか。訳者は、「ここはひとつ世間の注目を引くような言い方をして、この考え方をぱあっと広めてやろう!」と思ったに違いありません。

というような訳で、「合理的配慮」という、すごいというのはわかるけど、なんともよくわからない言葉ができあがったのではないかと推理したのです。

鞍馬山にて

神田のフォト日記
02 /07 2017


こんにちは。神田です。
最近、仕事と関係ないことを書いているので、いかんなぁと思いつつ、今日もあまり関係がありません。

先日、京都の鞍馬山を登ってきました。
出町柳駅から叡山電鉄に揺られ、貴船口につく頃には、雪がどっさりと残っていました。
鞍馬で降りて、鞍馬寺へ上る山道は真っ白。
そこからさらに山深くへと入り、貴船神社へと下っていく道のりを、写真を撮りながら3時間近くかかったでしょうか。
凍りつくように寒く、足元はぬかるんだり滑ったりで歩きにくかったですが、雪化粧の鞍馬山は美しかった。

天狗の総本山、パワースポットとして有名な鞍馬山ですが、源義経が武術や兵法を学んだとされる山であったり、金星から来たといわれる護法魔王尊が祀られていたりと、様々な言い伝えがある山です。

歩けばなるほど、確かにただならぬ雰囲気がそこかしこに満ち満ちている気がしないでもない。
いびつな形をした巨木も多く、アグレッシブに個性と根をむき出す姿には圧倒されました。

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今回、フィルムカメラを持ち出して撮りました。
久しぶりの事です。
仕事でもプライベートでもデジタルで撮ることが殆どになりました。
利便性においてはデジタルに全く太刀打ちできないフィルムですが、こと写りに関しては負けません。
フィルムが写し出すしっとりとした雰囲気や柔らかな味わいは、デジタルにはいつまでも表現できない領域なんじゃないかと個人的には思っています。

デジタルカメラと違って、フィルムカメラはファインダーから覗く景色だけが頼りです。
シャッターを切ってもすぐに確認は出来ません。
どのように撮れたのか、想像するのみ。
気に入らなければすぐ消して、満足いくまでシャッターが切れるデジタルとは
写真になるまでのプロセスがまったく違ったものになります。
必然的に1枚の写真に対する思いの入り方も違ってきます。

何事にも言えることですが、ただ便利になればいいというものではありませんね。

歩きながら、色々と考える事がありました。
自然の中に入ると、普段自分が営みをおくっている場所というのは、ほんとに世界の一部分でしかないんだということを思い知らされます。
あくせく働いたり、身勝手に腹をたてたり、腹筋がつるほど笑ったり、あくびしたり、
そういったことをしてる間にも、この山の中ではそれと等しく静かな時間が流れているんだという当たり前のこと。


現像から上がった写真には、撮る時に感じていたそのような気持ちが、少し写りこんでいるような気がしました。

一羊会「ジョイント」

兵庫県西宮市にある一羊会「ジョイント」です。何気ないジョイントの日常やスタッフが何気なく思うことを発信していけたらと思います。どうぞ、のぞいてみてください♪